部屋に戻る途中の吹き抜けの渡り廊下で、詩音は足をとめた。 前を行く叶亜が止まり、振り返る。 「……なんでお父さん。死んじゃったんだろ……」 耐えられなくなり、詩音の瞳から涙が流れた。 うつむいていたから、叶亜に涙は見えていないはず。