叶亜の言葉に返す言葉を失ったのか、阿部が小さく舌打ちした。 しかし叶亜は気にする様子もない。 「阿部さん。見たところ、大司さんは胸をナイフで一突きですよね?」 叶亜が写真を撮られている大司の遺体を見ながら言った。 阿部は屈んで大司の遺体をみると、「だな」とうなずいた。 「でもほら……首に索条痕がありますよ」