阿部はにっこりあどけない笑顔をみせた。

こうすれば、普通の優しいおじさんだ。

「阿部さん。今の言葉は少し違います。阿部さんは僕のパシりですよ。」

叶亜が肩をすくめながら言った。

「あ?お前、俺は刑事だぞ」

「刑事でもパシりにはできます。」

「……車いすのタイヤ、壊してやろうか」

「器物損壊で捕まりますよ」