「まあ。安心しろ。遅かれ早かれこの家庭はくずれる。だが、君自身の判断で変わるよ」 「私の判断で……?」 どういう意味だろう。 「なぜ、僕が君以外の人間に猫を被っているのか……。紳士という馬鹿馬鹿しい優男の仮面を被っているのか……。それが分かったら、教えてあげるよ。」 叶亜はきびすを返すと、詩音の部屋を出ていった。