「私の母です。」

「母の瀬織友美(せおりともみ)です。遠いところ、ありがとうございます」

丁寧に頭を下げる友美。

叶亜も紳士な笑顔を浮かべ、頭を下げた。

「東雲叶亜です。娘さんから話は聞いています。こんな素敵な女性のためなら、どこへでも行きますよ」

「まあ。」

友美がにっこり笑い、頬を赤らめた。

騙されちゃだめだよ!お母さん!

詩音は必死に心の中で叫んだが、 そんな思いが届くはずもなく、叶亜と友美は意気投合している。