カラン……。


2週間ぶりに来たが、やっぱり店内には客がいない。

蓄音機から流れる音楽が店内を包んでいる。

「すみません」

カウンター席に座って、声をあげると奥から不機嫌そうな叶亜が出てきた。

車椅子に乗って。