空気が読めないというか、なんというか……。 当の本人は悪気なさそうに詩音の抱いてる絵を指差した。 「それはなんだ?」 「あ……。これ。お母さんが書いてくれたんです。きっと、お父さんの中の私達はこんな感じだったんだろう、って。」 絵を見せると、叶亜とエルが表情を緩めた。 「良い家族だな……」 その絵には、淡いピンクの色鉛筆で描かれた、笑顔の詩音と友美、そして大司の顔があった。