先程まで晴れていた空は雲が覆いつくし、太陽の光を遮っている。 「でも……おかしいじゃない。家族を愛してたならっ……!!なんで遺産の相続人が私なの!?」 愛子が立ち上がり、叶亜に詰め寄る。 「そうよ……。なんであの人はこんな女に遺産をっ……!!」 「その遺産の遺言状って……これですよね?」 叶亜はポケットから1枚の折り畳んだ紙を取り出した。