「この家の人々って……。俺もですか?」 草木が怪訝そうに叶亜に聞く。 「当たり前でしょう。この家で一番愛に満ち溢れていたのは彼だった。でも、不器用な彼はその愛を素直に表現することができない。……だから、こんな結末を迎えてしまった」 「……彼が、素直に愛を表現できたなら、こういう結果にはならなかったのかもしれないな。」 阿部が窓の外をみた。