阿部が納得したように言う。

「でも、だからといって愛子さんに罪を被せることはなかっただろ。大司さんは自殺ならそういえば……」

「言ったところで何が変わるのよっっ!!」

断末魔のような叫びが部屋に響く。

詩音はビクッと肩を震わせた。

「……そこの探偵さんが言ったように、旦那様は私に言ったのよ。『家族のために私は死ぬ必要がある』って……」

「家族のためって……どういうことですか?」