瑠花は「失礼しました」と言うと、先頭に屋敷の中に入っていく。

屋敷の玄関までは約30メートル程あり、
その途中には畑やアトリエの小屋などたくさんあった。

「アトリエもあるのか。」

玄関に向かう途中で叶亜が感嘆の声をあげた。

「母は前画家をしてて、スケッチのためにアトリエの小屋を建てたんです。プールで遊ぶ私の姿とか、いろいろ描いてくれて」

母は本当に自分を大切に育ててくれた。
詩音の一番大切な存在は、母だろう。