「瑠花さん!」

「瑠花?」

怪訝そうに叶亜が詩音をみた。

「こちら、郡山瑠花(こおりやまるか)さん。私の父に代々仕える家政婦さんです。」

瑠花は叶亜に一礼すると、人懐っこい笑みを浮かべた。

「お話は伺っています。東雲叶亜様ですよね。どうぞ。奥様がお待ちです」

そう言って、車いすを押そうとした瑠花に叶亜が「結構」と断る。