詩音は海沿いを歩いていた。

時刻は夕方の5時。

商店街を出て、母に「探偵を連れていく」と連絡してから3時間程バスを乗りかえた。
実家の近くまで来るとバス停がないので、実家までは徒歩だ。

車いすの叶亜に負担がかかるのではないかと心配したが、杞憂だった。

叶亜はなに食わぬ顔で車いすで移動している。

ふと、なぜ車いすに乗っているのか気になった。