「それは阿部さんの実力でしょ」

「なに?」

「僕は愛子さんの鞄が怪しい、としかあのとき言ってません。なのに、愛子さんが
犯人と決めつけて……。まあ、見たかったな。猫さんに怒られるところ」

ニヤっと口元を緩める叶亜。

「うるせえよ。……で?犯人は誰なんだよ!教えろ。」

「それはまだ言えませんよ。」

「はあ??何でだよ。……まさかお前。また俺のミスを笑うために言わないとかじゃないだろうな?」