昨日の母の口調を思い出した。

今にも泣き出しそうなほど、切羽詰まり、怒りに震えていた声。

「だから、父を説得してほしいんです!!どんな依頼でも受けてくれるんですよね?」

「君は頼む所を間違えてる。そういうのは弁護士に……」

「弁護士には父がお金を渡していて……。動いてくれないんです。」

「そんなことの為に金を使えるなんて羨ましいな」

「だから、お願いします!!頼れる人があなたしかいないんです」