あれは、私が15歳の頃。 反抗期真っ只中で、女を度々作ってはお母さんを悲しませる父を憎んでいた。 「女と付き合うのもいい加減にしなよ!」 何度も父に言った。 私の中には父に育てられた、大事にされた記憶がない。 小さい頃も、そのときも、そして今も、 私は父に優しくされたことなんてなかった。