そこへ、阿部がせわしなくリビングへ飛び込んできた。 「おい!叶亜!!あったぞ!!愛子さんの鞄の中に返り血のついたシャツが!!」 阿部がべっとりと返り血のついたシャツを掲げてみせた。 愛子が「はあ!?」と阿部に歩み寄る。 「なにそれ!私、知らないわよ」 「とぼけないでください。遺言状の遺産相続はあなたになっている。大司さんが死んで一番得するのはあなただ」 叶亜が車椅子で愛子に近寄る。