「愛子さん。どこへ?」

「どこへ?って。家に戻るのよ。帰ろうとしたところを呼び止められて……。良い迷惑」

「で、でも……」

「うるさいわね!!」

愛子が声を荒らげた。

鋭い目で睨まれ、詩音は動きをとめた。

「大司さんが死んでっ……!今は、あんたのお遊びに付き合ってる場合じゃ……」