高1の春。
入学したての私は、今みたいに上手く人間関係を築くことが苦手だった。
自分でいうのもなんだけど、愛想も悪かったと思うし、なんていうか、どんよりしてた。だから、喋り相手も当然いないわけで。
顔は美人だから、男は寄ってくるが、それが女子の怒りを買った。
挙句の果てには、殴られるし、シカトされるし、言い寄ってきてた男子に襲われそうになった。今でもあれは悪夢の日々だ。
そんな散々な日々、ある日、学校1イケメンって噂されてる、矢野 伊織
が私のとこふやって来た。私の前でピタッと止まって、品定めみたいにジロジロ見ていきなり
「言うほど美人じゃねーじゃん。てめぇ等、目、腐ってんじゃね?」
って、嘲笑った。
「おい、ブス。俺今フリーでさぁ。俺と付き合えよ。」
は?あたし?
「えっ、ぁ、ちょ・・・」
「お前に拒否権はねぇ。ケータイ出せ。」
なんだか、変なことになっちゃった・・・。
こうして、私たちの関係が始まった。