「これは……気絶してるな……はぁ……めんどくさい」

そう言いながら会長を抱え起こした神谷君。

神谷君は会長をドアの方へと運んでいく。

「あの……私は……」

「ああ……あんたはその書類書いて置いといてくれ……あ、3Sはただの会長の興味だから書かなくていいから」

3Sは書かなくていいと言われ少し安心した私。

だけどそこで追い討ちを掛ける一言を神谷君が放ってきた。

「あ、それと……時間大丈夫なのか?」

私が壁に掛けられている青い時計を見ると時間は9:48。

「俺と会長は生徒会の仕事だから大丈夫だが………もう授業始まってるぞ?」

「は、早くしないと!」

「じゃ、俺は行くから……」

会長を支えながら出ていく神谷君。

私が書類を書き終えてもう一度時計を見ると既に10:00だった。

急いで生徒会室を出る私。

廊下を早歩きで歩きながら私はこれからの事を考えていた。

会長の事……ほかのメンバーの事……そして彼……神谷君の事。

神谷君については結局わからずじまい。

どんな人なのか……なんで見覚えが有ったのか。