美紅も良い子。優しい子。ただマイペースすぎて苛立つこともあるけど。マイペースな部分が舞と美紅は似てる。すごく仲良し。


「だから、ばいばーい」

沙彩と美優に手を振って、教室をでた。ふたりはやっぱりどこか安心したようで行かないでの色をだしながらも本気で止めはしなかった。

止めてもらいたいわけでもないし、私も自由な部分があるから引き止めても意味のないことをわかってるっていうこともあるだろうけど。


「つばき、帰んのー?」

「山本、午後の授業まだ残ってるぜー?」

「あ、つばきちゃん!いま来たの?」

「おー、つばき。おそよー。」


靴箱に向かう間に男女問わず声をかけてきた同じ学年の子達。ひとりずつにそれぞれの返しをしてみんな笑ってばいばい。後輩だったり先輩はあっちの気次第で話しかけてくる。

たぶん、ほとんどが私の存在を知ってるけど私はそこまで仲良くする術を知らないから、会えば必ず会話になる相手は滅多にいない。