「広瀬は勉強会参加するのか?」
「はひ!」
初めて世緒以外の男子に声かけられたからテンパっちゃった。
変な声出たし。
「やっぱ広瀬話し聞いてなかった」
「うぅ。ごめんなさい。で、茶原くんなんの話?」
茶原くんは背が高いから自然に見揚げなくちゃいけないから首が疲れる。
なんて、余計なこと考えてる。
「今日この教室で勉強会しようって話になってるんだけど広瀬はどうする?」
「参加する」
「ラジャー。世緒のことは下の名前で呼んでんだろ、俺も絵馬でいいから。じゃ」
き、気さくな感じの人だったな。
同じクラスなのに初めて話すってやっぱり可笑しいよね。
節度なクラスメートとの会話も重要っと!
放課後は予定入っちゃたから昼休みのうちに本借りに行こ。
お手洗いから真里が帰ってきた。
「作文は書けましたかぁ〜」
「うぅ。…まだです。あ、そうそう私放課後勉強会に参加するけど真里どうする」
「するする。茶原ぁ私も参加ねぇ」
「ラジャー」
他のクラスの子と話してるのに突然話しかけても動じないなんてすごい。
てか、真里は真理で即答だったなぁ。
(世緒は参加するのかな)
うわぁ…何考えてんの私。
作文に集中!!
✡.°✡.°✡.°✡.°✡.°
勉強会に参加してる人少ないな。
放課後教室には私と真里の他には絵馬くんと世緒とクラスメートが男女一人ずつ。
(よかった)
…なにがよかったわけ?
参加人数が少数だったから?
違う。
―世緒がいたから。
「広瀬早く来いよ。机を合わせて始めようぜ」
「うん」
集中集中!!!
作文の最終チェックしなくちゃいけないし。
六人で机を向かい合わせにしてそれぞれが席につく。
「この中で特別頭がいいのは蘇我さんと世緒か」
「絵馬もだろ。てか、このメンバーで集まるの初めてだし自己紹介からしようぜ」
「だな。じゃあ俺から。茶原絵馬、得意教科は科学な」
リーダーシップがあるなぁ絵馬くん。
それを言ったら世緒も何だけど。
1学年のWイケメン達だし。
「八坂世緒得意教科は特に無いデース」
「このオールマイティめ」
「うっせぇ」
絵馬くんと世緒はすごく仲が良い。
絵馬くんが羨ましいと思うくらい。
多分、私の知っている世緒と絵馬くんが知っている世緒はちがうから。
「次々俺な!!桃田久良よろしく。勉強はできねぇ」
どんどん声が小さくなって言ってたがそんなに頭の出来が悪いのかしら?
…なんて失礼なこと考えてんだ私。
「蘇我佳奈美です。得意な教科は英語です」
恥ずかしいのかな?
下を向いて頬を染めている姿はザ・乙女。
クラス委員だし顔は知ってたけどこんな子なんだ。
可愛いです。
次は私か真里かぁ。
どっちが先に言えばいいのかな?
「次は涼香で最後に須佐な」
ナイス絵馬くん!
でも真里大丈夫かな?
「えっと広瀬涼香です。お勉強は苦手です」
「え!意外だぁ。広瀬さん勉強特にそうなのに」
「ほ、褒め言葉として受け取っておきます」
視線を感じて目の前に座っている世緒くんを見ると様子が可笑しかった。
怒ってる??
「須佐真里…」
「まぁ、お前にしては頑張った。よし、勉強はじめんぞ」
「おー!」
絵馬くんと真里って初対面じゃないのかな?
それに世緒もなんかへっけてるし。
波乱の予感