「まず、佳奈美ちゃんに謝ろうね」
「わかってる!!私だって悪かったて思ってるし」
「佳奈美ちゃんかなりの天然だから頑張って」
「何のホローよそれ、桃田のことは好きとは違った気がする。相手にされ無さ過ぎてむきになってたから」
「大丈夫、気持ちはわかるよ。正直、早く告白して振られないかなぁとか思ってたし」
「鬼畜。そこまで言わなくてもいいじゃない」
「佳奈美ちゃんと桃田くんって付き合ってる訳じゃないと思うけどいつも一緒だから」
「知ってる」
翡翠は可愛いなぁ。
反省してる見たいで良かった。
「さっき私にとって涼香がどう見えるって聞いたでしょ」
「うん」
「入学当初は読書ばっかして、八坂がせっかく話しかけてんのに無視して何様だよって思ってた」
入学当初を思い出すと真里とも知り合ってなくてひたすら本を読んでた。
世緒がちょっかい出してくるのが憂鬱だった。
「でも、遠足のときあんたの班を見て楽しそうだなって純粋に思った」
遠足…登山の時だよねぇ。
楽しかった、確かに。
周りにそれが伝わってるんだな。
「何回か勉強会とかしてたから」
「その勉強会ってさ、茶原が声かけた人しか参加出来なかったの知ってた?」
えっ!
知らんかった。
まず、どんな経緯で勉強会が開かれたか知らないし。
「私、寝てて。絵馬くんが声かけてきて話し聞いてたって言われたから全員の中から出たい人だけかと思った」
「茶原超策士じゃん」
「翡翠って周りをよく見てるよね」
「人間観察って面白いじゃん」
「悪趣味だけど同感」
六限終了の鐘が聞こえる。
そろそろ教室に戻らないと怪しまれる。
結局二時間潰しちゃたぜ!!
「翡翠戻れる?」
「うん。ありがと」
「どういたしまいて」
教室に戻るとたくさんの生徒から好奇の目を向けられたが無視。
私そういうの馴れてるし。
教室の後ろで佳奈美ちゃんに謝っている翡翠も確認できたし私は真里のところに…
「涼香大丈夫か?今まで保健室行ってたんだろ、植木の付き添いで」
世緒、それはなんの話だ?
チラッと真里の方を見ると不自然に口が釣り上がってる。
…そういうこと。
今度真里になにかお礼しないと。
「うん。後でノート貸してくれると助かるんだけど」
「もちろん。何時でも貸す」
心配してくれたのかな。
私は世緒とわかれて真里の元に向かう。
「お疲れ様ですぅ。向こうは一見落着みたいですよぉ」
教室の後ろを見ると笑い合っている二人の姿が合った。
「よかった」