「春ちゃんは俺と一緒で嬉しいよね?」

…私に振らないでよ…。

「…う、うん?」

「やっぱり?俺と一緒で嬉しいよね!」

「春子…ほっといていいよ。」

「う、うん…?」

「春ちゃんまでぇ…」

「うるさい、拓真。」

「…ごめんなさい。」


…。
うん。仲良いよ。2人はお似合いなカップルですよ。

思わず嬉しくなる。
2人見てると楽しいのは前から変わらない。

「…春子笑ってるし…。」

「んー?だって…2人は仲良いなぁと思って…。」

「…。春子、あんたも彼氏作りなよ!」

「はぁ?!」

突然のことで驚いてしまう。


「春子はさぁ、カワイイし、運動できるし…数学は出来ないけど…」

…なんか一言…多くない?

「それに勉強も出来るし…数学は出来ないけど…」

「ちょっと里奈…さっきから数学のこと言いすぎじゃない?」

「…まぁ、とにかく!春子はそのクールに見られるのと数学嫌いを直せばモテる!」

…数学関係ない気が…。

「…彼氏は…いいよ…。」

「春子はいつもそー言うよね…春子には幸せになってほしいのに…」

「私はいいのよ!大丈夫!」


複雑な顔した里奈が私を見ている。


私は恋なんかできないよ。

私の中にあの人がいる限り。