「玲央、柚葉ちゃんにベタ惚れだね」


「うっせ」


玲央は別に私のこと好きじゃないけどね。

私も玲央もお互いの事は好き。


じゃなきゃ、付き合ってないし。


ただ、私たちの好きは

友達として好きってこと。


だから、ラブラブでもなければ愛し合っているわけでもない。


そんなこんなで、ぐたぐた過ごしていたらいつの間にか夕方。


「私そろそろ帰るね。」


「もう帰っちゃうの?」

「まだ6時だよ?」

「早くない?」


そう。まだ夕方6時。


「門限あるから。」


お兄ちゃんが決めた門限は6時半。


少し早い気もするけど、お兄ちゃんと居れる時間が増えるから苦じゃない。


「えーー」

「厳しいんだね」

「門限って何時?」


「6時半だよ」


「あと30分じゃん!」


「じゃあ私は帰るね。」


「送ってく」


送ってくれると言った玲央と一緒に倉庫を出た。


「………」

「………」


二人きりになったからと言って、何か喋るわけじゃない。

お互い無言なんて当たり前。


「疲れた。」


倉庫でずっと営業スマイルだったから、
無駄な労力。


「ごめん」


「別にいいよ。他の男から守る為なんでしょ」


「あぁ。我慢させてわりぃ。」


「もう謝らないで。」


別に謝って欲しいわけじゃない。


倉庫と二人きりとで、全く違う玲央。


私と居るときはどっちかと言うと
甘えてばかり。

てか言っちゃえば、ヘタレ?


怒られるから絶対に言わないけど。


イケメンは何をやっても、様になるからカッコいい。