私を姫にして巻き込んだ事と、さっき無視したこと。

それに苛ついている私は玲央に顔を向けない。


「柚葉。」

「………」

「ゴメンって。」


何に対してか知らないけど謝る玲央。


「玲央が謝ってる」

「激レアだよ!」

「ブハッ」


「ちっ。」


3人に舌打ちをする玲央。


「柚葉。」


すると、さっきまでとは違い甘い声で私を呼び
腰に回していた手を引っ張って、私を引き寄せる玲央。


今、後ろから玲央に抱きしめられてる。


「わぁお。」

「これはヤバイね。」

「本当に絵になるわ」


何故か納得した様子の3人。


「ごめんって。」


私の耳元で囁く玲央に思わず


「…いいよ」


言ってしまった。


ドキドキ


まただ。


さっきと同じだ。


玲央の仕草一つ一つにドキドキする。


今まで玲央と一緒に居てもこんなこと無かったのに……


どうしたんだろ?


「柚葉ちゃん顔赤ーい!」

「可愛いね」


「見んじゃねーよ」


そう言って私を抱きしめる力を強くする玲央。


「………」


恥ずかしい。


ん?いつもはそんなこと思わないはず。


今日の私は可笑しいのかもしれない。