「今日お前らに集まってもらったのは
昨日言った通り、姫を紹介する為だ。」


私の隣にいるのは、いつもの私が知っている玲央じゃない。

全国の頂点に立つ男。

他の人とは出ているオーラーが全く違う。

不覚にも、心臓がドキドキ脈を打つ。



そして決して大きくはない玲央の声は、静かな倉庫に響く。


「柚葉、挨拶。」


玲央の一歩前に出る。

面倒くさいな。


なんて思いながらも、


「皆さん初めまして。新藤 柚葉です。

私のことを知っている人も居ると思いますが、これからよろしくお願いします」


いつもの営業スマイルで挨拶。


パッと見ると何気に同じ学校の人が多い。
話したことのある人がちょこちょこいる。
あと同じクラスの人とかも。


「意見のある奴いるか」


玲央の隣に戻ると、有無を言わせない口調で喋る玲央。


「ありません!」

「柚葉さんよろしくお願いします!」


玲央に応えるようにそう言ってくれる下の男達。


別に嬉しいとか思わない。

帰りたいとしかね。


あとで一発玲央のこと殴ろっかな。

八つ当たりしようと考えていると


「柚葉は俺たち流星の姫だ!

全員何があっても柚葉を守れ!いいな」


「「はい!」」


「解散」


玲央の一言でバラバラになった下の男達。


「柚葉行くぞ。」


「うん。」


今度は何処に行くんだろうと思ったら、二階にあるデカイ部屋に通された。


入ると

ソファにテーブル、テレビにパソコン、
冷蔵庫にキッチン

と一通り生活出来る。


なにこの部屋。


「ここはね幹部以上の僕達しか入れない幹部室だよ!」


扉の前で止まっていた私に教えてくれた薫。


「そうなんだ」