走ってたどり着いた晴香の家の前には、お母さんが立っていた。

「輝くん、本当にありがとう!
ごめんなさいね、娘のわがままに最後まで付き合わせて」

「大丈夫です。あの…晴香の残したものって…?」


眉毛をきゅっとハの字にしたお母さんは、力なく笑った。

「入って。晴香の部屋にあるの」