黒沼は、デスクの上に置かれた賢者の石を片手で掴みとった。

「こんなもので、不老不死に......」


トントントン......


すると、足音がする。

「......っ」

サキは、黒沼の持つ賢者の石を唖然として見詰めて、立ちつくした。

「それは......」

「あ、サキ、お帰り。何処に行ってたの?」

「トイレよ。......それ......どうやって手に入れたの?」

「これっ、タローマティがさぁ......なんか、消め......」

黒沼が事を説明し終わる前に、サキは黒沼の手から賢者の石を取った。

「この賢者の石......異界研究所ではブレゥーって言う名の悪魔が不老不死である謎を解明するため、古くから奥田 晃は研究を続けていたの。そしてブレゥーは、タローマティの父。つまり、タローマティがこの賢者の石を持って来たとなれば、謎は明らかね......。私は、これを異界研究所へ送りに行くわ。監視......頼むわよ」

そう言うと、サキは監視室を再び出て行ってしまった。

「え、あ、だからそのー......消滅」