「何故、そんな事をするの?」

ユウナは訪ねた。

「馬鹿げてやがる」

ケンジはそう、呟く。


「異界研究所は、警察本部 秘密組織からの指令を受けたんだ。でも、何故、悪魔をてなずける必要があるのか、それについては一言も口を開かなかった。ただ、秘密企業で教えられない。とだけ伝えられた。

そうして俺達は、素直に指令にしたがい、悪魔をてなずける研究を行い続けていった。俺の担当する仕事は、ただ黙々と研究の結果を記録するだけで、この俺が、目の前で研究するただそれだけの為に、縄に縛り付けられている悪魔に手を出すことは許されなかった。

......そうして、記録をつけ終わり仕事を終えた俺は自宅へ帰った。

......疲れていたから......椅子に座ったまま寝てしまい......目を覚ましたら......ここに」

「っならお前、さっきの化け物の正体を知っているんじゃねぇのか?お前が、あの化け物の研究の記録をしていたんじゃねぇのかよ!」

「え?! ......今、何て?! ....................................ば、ば、化け物ってなんのことよ?!」

すると、再び京子はパニック状態になった。

「いや、どうかな......。俺が担当していた悪魔はあんな大きな目玉じゃなかったはずだ。俺が知っている悪魔は、まるで絵画に描かれたような悪魔の外見だった。羽が生えていて、鋭い牙があって......。とにかく、俺はあんな化け物......知らないよ」

「でも......もし、あの化け物が夏輝君と同じ研究員の者が研究していた悪魔だとすれば、この場所は......」

「警察本部の秘密組織が内密に作り上げた場所ってわけか」

「その可能性は、あるわ」