俊ちゃんが立ち止まったと思って顔を上げると。
「...なにこれ。きれい」
目の前には、綺麗な夜景が広がっていた。
「もともとは俺と祐奈が知ってた場所で、俊斗がいい場所ないかって聞いてきて、教えてやったんだ」
「そうそう!本当はさっきから美音ちゃんに話しかけたくてうずうずしてたんだけど、私、口が滑って言うと悪いからって、しょうがなく蓮と話してたんだよね」
「しょうがなくってなんだよ!」っていう桜井先輩の声を聞きながらも、初めて聞いた三浦先輩の声に驚いた。
だって、正直もっと、話しにくい人だと思ってたから。
「あ、ごめんね?いつもびっくりされるの。こんな性格だったの?って。改めて、三浦祐奈です。よろしくね!」
「よ、よろしくお願いします、三浦先輩。片岡美音です!」
「三浦先輩なんて、堅苦しい呼び方じゃなくていいよ!祐奈ちゃんって呼んで?」
「じゃあ、祐奈ちゃんで!」
「うんうん!なんかいい!」