俊ちゃんはおしゃれさんで、ただでさえモテるのにこんな姿見せたらもっとモテると思う。
そんなことを思っていると、また見覚えのある姿が二つ。
桜井先輩と三浦先輩だ。
桜井先輩はおしゃれで、俊ちゃんもかっこいいけど、私にとってはもっともっとかっこよく見える。
そんな桜井先輩の横に並ぶのにふさわしい、三浦先輩。
そんな姿を見たら、やっぱりかなわないなって思う。
でも、かなわないのは当たり前。
二人はカレカノ、私に入る隙間はない。
それでも好きでいる私が悪いんだから。
その気持ちを紛らわせるように、俊ちゃんに尋ねる。
「俊ちゃん、今日はどこ行くの?」
「ひーみつっ」
でも教えてくれなくて、笑って歩いて行く俊ちゃんについて行くしかなかった。
桜井先輩と三浦先輩より前を歩く私と俊ちゃん。
二人を見たらつらくなる私の気持ちに気付いての行動なのかたまたまかはわからなかったけど、嬉しかった。