「蓮先輩...」



すごく嬉しくて、なんだかすごく抱きつきたくなって、初めて自分からぎゅっと抱きついてみる。



ここは外。



まわりに人はいないけど、いつ人が通ってもいいような場所。



だけど蓮先輩は私を拒むことなく、頭を撫でてくれた。



その手が優しくて、大きくて、温かくて。



私を安心させてくれた。



「本当は、もうちょっと時間あったんだよね。でも、ちょっとこういう展開を期待してはやくカフェをでた」



「...え?」



「俺ら付き合ってるんだからさ、『会いたい』とか普通に言い合っていいと思うんだよな。今日、期待通り美音が言ってくれて嬉しかった」



「じゃあ、これからはちゃんと言いますね。聞き飽きるくらい言いますからね」



「じゃあ、俺はそれよりもいっぱい言ってやるよ」



そう言いながら目があった私と蓮先輩は、さっきのカフェよりも楽しく笑い合った。