「キーンコーン」 授業入れ替えのチャイムが鳴る。 君は荷物を持ってさっと立ち上がると、とっとと僕の横を通り過ぎて行ってしまう。 「ちょっ…ちょっと」 馴染みの先生を見つけて慌てて声をかける。 「ん?どした、杉田」 「あれ…っ、あの女の子、だれ?」 今となってはどうして聞けたのかもわからない。 「あぁー。久野ね。なに?どしたの?」 「久野さん…いやなんでも」 すごく、綺麗な子だった。