「ほんと毎朝よくやるよな、陽大の母さん。」
悠哉が俺の弁当を見て言った。
「うまそうだろ!?ちょっと食う?」
「いや、良い。」
「ちぇー、何だよ。全部食っちまうからな!」
そっけない返事の悠哉に、拗ねる俺。
別に俺の母さんのためにすねてる訳じゃない。
…実を言うと、毎朝弁当作ってんの、俺なんだよな!
俺のを作るついでに弟の環大の分も作ってやってんだ!
朝早く起きんのは辛いけど、俺の両親どっちも料理下手っぴだし、その割に栄養が豊富だとか言ってゴーヤとかひじき、ほうれん草にピーマンばっか入れてくんだよ!
もうまずいの何のって、そんなの毎日食ってられねーだろ?
だから、俺は料理だけは昔っから得意なんだ!