しばらくは気持ちを抑えんのに苦労したけど、やっと花乃ちゃんをただの後輩の1人だと、俺は花乃ちゃんにとってただの先輩の1人だと思えるようになってきた。
そんなときだった。
あの子を見かけたのは……。
一高の校舎は4つあって、それが四角形みたいにつながってる。
1年と2年の教室があるフロアは、ちょうど向かい合ってて、たまに友達と仲良く廊下を歩く花乃ちゃんが見えた。
前の俺なら花乃ちゃんが視界に入るとともにすぐ食いついてたけど、最近は部活以外では見ないようにしてた。
でも、もう想いは冷めたし、別に気にすることもなくなったから良いよな!