曲が終わった途端、桜子先輩が飛び跳ねた。
「きゃー、花乃ちゃんうまーい!」
「あっ、桜子先輩!」
ていうか、パーカッションの先輩たち勢揃い!
やらなきゃ良かった!
「澤木すっげーな!手がめっちゃ速く動いてたぞ!」
日野先輩まで!
「ご、ごめんなさい!」
恥ずかしいし、勝手に触っちゃったから謝んなきゃ!
「何がー?」
桜子先輩はあんまり気にしてないっぽい。
「この曲、前にやったことあるの?」
「いえ、初見です…。」
「うっそー!衝撃的!もうあたしショックだよ~!」
桜子先輩が倒れるようにしてイスに座る。
「それ、あたしの楽譜なんだけどさ、いっぱいメモってるでしょ?全っ然上手くなんなくて!」
桜子先輩の楽譜だったんだ!
桜子先輩のメモは全部役に立ちましたよ!
「あたしマリンバでそれやれたらかっこいいなって思って、ずっと練習してたんだけど…。」
「そうだったんですか!わたし、何も知らなくて…。」