わたしは断ったんだけど、悠哉先輩は黙ってわたしのあとをついて来た。





陽大先輩はその様子を見届けてニヤっと笑うと、さっさと帰ってしまった。






「……じゃあ、悠哉先輩、送ってくれる…?」






悠哉先輩の甚平の裾をギュッと握って言ってみた。






そしたら先輩の顔はほんのり赤くなって、それから笑った。






わたしと先輩は、横に並んでゆっくり歩き出す。






わたしの家までほんとに他愛もない話ばっかりしたけど、そんな時間がわたしにとってはすごく幸せだった。