次の日の休み時間。
運悪く先生に頼まれて、重ーいダンボール運んでます。
これ、何入ってんだろ。
前見えないし。
廊下のつきあたりの角を曲がったら誰かいるのが見えた。
よけようとしたら、足すべった!
「ひゃっ!」
バタバタバタッ
ダンボールが落ちる音は聞こえたけど、痛くない。
誰か受け止めてくれてる……?
「おい、大丈夫か?」
「あっ、えと、旭先輩…?」
「おー、そうそう!名前知っててくれたんだ?」
「桜子先輩がそう呼んでたから…。」
「あー、あいつか。」とか言って笑ってる旭先輩。
すごく爽やかな笑顔、素敵だけど…っ!
「あのっ、先輩、このままはちょっと恥ずかしいですっ。」
旭先輩は倒れたわたしの体を受け止めて、後ろからわたしを抱いてるまま。
誰かに見られてたらどうしよ。
「あっごめんごめん!つい…。」
つい?
ちょっと気になったけど、それより、さっきから胸のあたりがドキドキしてる。
先輩が離してくれて、先輩の方に向き直る。
顔が赤くなるのが自分で分かった。
「ありがとうございましたっ。」
「いーよ全然。手伝おうか?」
そのとき、旭先輩は先生に呼ばれて、千海ちゃんが通りかかった。
「あっ花乃!手伝うよ!」
「ほんと?ありがとう。」
千海ちゃんは面倒見が良いお姉ちゃん的存在。
先生が旭先輩を呼ぶ声がどんどん大きくなる。
「旭先輩、わたし大丈夫なんで、行ってください!」
「ほんとか?けっこー重そうだけど。」
わたしは笑顔で頭をふる。
「わたしこう見えて力持ちだし、それに頼りになる友だちもいるんで!わたしのせいで先輩が怒られたりしたら悪いですしっ。」
「そっか、じゃあ頑張って!」
「はい!」