「てゆーか、びっくりした!悠哉いつの間に戻ってたの?」
「さぁ?」
先輩は、こたえるのもめんどくさいみたいに短くはぐらかした。
顔を見上げたら、円い二重の目が見えた。
「ん?」
わたしが見てるのに先輩が気付いたから、あわてて視線をそらす。
「それよりさー、木琴鉄琴叩いて可愛い音鳴るから楽しいかもしんねーけど、」
近くにあったイスに腰掛けてた先輩が、わたしを見ながらゆっくり立ち上がる。
何かやる気なさそうな、のらりくらりとした立ち姿。
「パーカスならではのかっこよさって、スティック2本でどれだけ太鼓叩けるか、だろ?」
「どうでもいーの、そんなこと!」
桜子先輩がふくれてる。