花乃の発する一つ一つの言葉が全部嬉しくて、胸の奥が熱くなる。



「先輩が好きですっ。」



リンゴみたいな甘い笑顔で笑いかける花乃は、ほんとに可愛い。



「わたしの気持ちの意味、分かりますかっ?」




そのキラキラした表情に不安の色が見えた。



「…ん、分かるよ。」



「ほんとですか?先輩鈍いか…、!」



俺だってそこまで鈍くない。


もう絶対花乃を離さないからな。



そういう気持ちをこめて、触れるだけのキスをした。




「俺も。」





そしたら花乃はわがままだったみたいで、



「ちゃんと言葉で言ってくださいっ。」




「あー、俺も花乃が大好き。」



ちょっと照れたけど、自分で言ってみてよく実感した。



…花乃に触れたい。




気持ちのままに、花乃の右手をそっと握る。