「あっ、マリンバ希望?いいね、やっぱり鍵盤楽器可愛いもんね!」
あ、桜子先輩。
マリンバは桜子先輩が教えてくれるみたい。
「はい!わたし中学もパーカッションやってて。鍵盤楽器大好きですっ。」
わたしの言葉に桜子先輩は喜んでハグしてくれる。
そのとき、
「いやー、やっぱパーカスはスネアがかっこいーだろ?」
えっ、誰?
「えっと…、あ、木村先輩!」
「は?」
ま、間違った…?
「いやいやいや、俺、奥村だべー。」
全然違ったよ、どうしよっ。
「ご、ごめんなさっ…(笑)」
笑いがとまんないよ~!
「何笑ってんだよ?」
わたしにつられて遊ちゃんも桜子先輩も笑ってる。
木村先輩…じゃなくて、奥村先輩がため息ついてる。
ダメだ、ちゃんとあやまらなきゃ。
「あの、ほんとにごめんなさいっ。」
「あーいいからいいから。」
奥村先輩が手を振ってこたえる。
良かった、怒られなかった。
パーカッション入るつもりなのに、今からぎくしゃくした関係になっちゃったら嫌だもんね。