「軽い捻挫だと思うけど、一応病院行ってね。」




保健室の先生はそう言って職員室に戻った。






わたしの左手は、冷たい湿布の上から動かないように包帯が巻かれてる。



見た目は大ケガしたみたい。





「花乃、ごめんな?」




先輩はすごく責任感じてる。





わたしは首を振って答える。





「左手だからノートもとれるし、捻挫だからすぐ治りますよ!」





「でもその手じゃ楽器叩けないだろ?」






あ、そっか。





でもわたしの代わりなんていくらでもいる。




マーチングの練習が始まるまでには治るだろうからそんなに暗い顔しないで、先輩…。