そんな思いを胸に、夢中で先輩の前に走る。




どうにか間に合ったけど、ボールはわたしが伸ばした手首当たった。



「いたっ!」




「花乃!?」





気づいた先輩がびっくりしてる。





「先輩に当たらなくて良かった…。」






サッカー部の人が「すみませーん。」ってボールを取りながら謝ってくれた。





「全然大丈夫です!」





そう言ったけど、ほんとは結構痛い。



ボールの当たった向きが、ちょうど手首が曲がらない方向だったし、力もいれてなかったから。