逞しい体つきと、顎から首にかけての男らしい線、強い意志を感じる眼差しに、清潔そうな口元。

また、武術の腕前もかなりのものである。

剣を交える度に額からこぼれ落ちる汗がキラキラと飛び散り、アイーダはその眩しさに思わず眼を細めて息をのんだ。

やがて剣をおさめた青年達は、互いの腕前を称え合い、肩を抱き合うと、耳に口を寄せて何かを話し、弾けるように笑った。

王子ファルの無邪気な笑顔に、アイーダはドキリとし、思わず自分の胸に手を当てた。

自分の鼓動があまりにも大きくなってしまい、あたりに響きわたりそうに思えたのである。

そしてそんな自分を恥ずかしく思い、うつむいた。