「分かりません。でも、生命の気が弱くなってる…」
香は、よりシオンの生命の気を感じようと意識を集中させ、眼を閉じた。
その時、外が騒がしくなり、男の声が響いた。
「父上!父上!」
荒々しい足音と、金属のぶつかる音が響き渡る。
やがて声が近くなり、入り口の扉が勢いよく開いた。
「父上!」
辺りを払うような強い光を放つ一人の青年が目の前に現れ、香は眼を見張った。
「父上、シオンが…『七色の瞳の乙女』が連れ去られた。
恐らくアーテス帝国……白金族人間に連れ去られたんだ。
敵に攻め込む許可をください!」
ダグダは、一人息子であるファルを無言で見つめた。
3日前は七色の瞳の乙女に興味すら示さず、捜索を命じた際は、それに時間を費やすくらいなら、ケシアの闘いで壊滅し、はぐれてしまった自分の軍の捜索に当たりたいと直訴してきたくらいだ。
香は、よりシオンの生命の気を感じようと意識を集中させ、眼を閉じた。
その時、外が騒がしくなり、男の声が響いた。
「父上!父上!」
荒々しい足音と、金属のぶつかる音が響き渡る。
やがて声が近くなり、入り口の扉が勢いよく開いた。
「父上!」
辺りを払うような強い光を放つ一人の青年が目の前に現れ、香は眼を見張った。
「父上、シオンが…『七色の瞳の乙女』が連れ去られた。
恐らくアーテス帝国……白金族人間に連れ去られたんだ。
敵に攻め込む許可をください!」
ダグダは、一人息子であるファルを無言で見つめた。
3日前は七色の瞳の乙女に興味すら示さず、捜索を命じた際は、それに時間を費やすくらいなら、ケシアの闘いで壊滅し、はぐれてしまった自分の軍の捜索に当たりたいと直訴してきたくらいだ。