生き返ってこの身を愛しいファルの瞳に写すことさえ出来たら、ファルはシオンではなく自分を選ぶはずだ。

日が浅い、今ならまだ間に合うだろう。

自分の方が数倍魅力的だ、絶対に!

…悠長なことをしている時間はない。

アイーダは、ユグドラシルの腕輪をシャラリと揺らし、治りきっていない体を抱き締めながら姿を消した。

なんとしてでも七色の瞳の乙女に近付き、その血を飲んで生き返るのだ、人間として。