えーっ!!

うそでしょ…!!

なに、手品?!

シオンは花を金に変えたファルに驚き、眼を見張った。

一方ファルは眉を寄せて、金に変えた花の先をグイッと曲げ、顔をあげるとシオンに近付き、てのひらにそれを置いた。

「これを、してろ」

え…?

てのひらに置かれた小さな花は、どこからどう見ても黄金で、先程まで野に咲いていたとは思えなかった。

驚きと嬉しさが入り交じり、シオンは胸が熱くなった。

「私の為に作ってくれたの?」

シオンの問いに答えず、ファルはツンと横を向いた。

「早くつけろ」