傷つき、横たわっていた兵がゆっくりと身を起こすと、自分の身体を不思議そうに触りながら見回す。

「終わった、みたい……」

シオンは嬉しさのこもった口調でそう言うと、ホッと息をついた。

きっと、この癒しの輝きは総てに行き届いたんだ。

なんだか、感じるもの。

私には、戦いをやめさせる力はない。

でも、少しだけど、戦いの傷を癒すことは出来たかな……。

最初は信じられず、怖くて不安だった。

不可思議なこの世界も、自分が『七色の瞳の乙女』だということも。

でも今は、全てを自然に受け入れられる。

こういう力も、こういう世界も確かに存在すると。