オーディンはそう言うと、逞しい腕にはめた黄金の腕輪ドラウプニルをサラリと撫でた。

「さあ、もう俺は行く。スレイプニル!帰るぞ!」

「最高神オーディン!!」

ファルが名を呼ぶと、オーディンはニヤリと笑った。

「おっと、礼は要らねーぜ!元々俺は今、七色の瞳の乙女に興味ねーからな!」

ファル達が見守るなか、オーディンはスレイプニルにまたがると、颯爽と天を駆け、消えていった。

誰もが暫くの間言葉を発することなく、オーディンの消えた空をみつめていた。